永久の贄[BL]

「お前は宴会に出なくて良い。疲れるだけだし、中には酒癖の悪い奴もいる。
そんな奴に手を出されては困るからな」


海理は俺を気遣ってなのかそう言った。

突然見せる優しさには正直戸惑いもあるが、悔しいけれど嬉しい気分にもなる。

しかしその気分に浸れたのもほんの僅かで。


「俺が宴会でいない間、寂しいとか思うが我慢しろ。帰ってきたら思う存分寂しさを埋めてやるから」

……思わず変な想像をしてしまった。必ずしもそうではないとはいえ。もしそうだとしたら寒気がする。

この話題はもう聞きたくない。別の事に切り替えてやろう。


「異形の者って言うから、人間の姿じゃないと思っていたが違うんだな」

「それはお前達の村での勝手な想像だ。オレ達は異形の者と言っても、ただ鬼とか化け物、
あるいは動物の血を引き継いでしまっただけの人間だ。血の濃さは個人差があるが」


何気なく聞いたのに、海理はやや呆れ気味に答えた。何もそんな顔をしなくてもと言わずにはいられなかった。