永久の贄[BL]

「そう言う訳だ。そこを無理にでも通してもらう。お前のその首を刎(は)ねてでも!」


雪が雄叫びを上げたのを皮切りに、哉はオレの肩から離れ空へ高く舞った。

逃げたのではない事は確かだが一体何をしに……。


「よそ見をしている場合じゃないだろ!?」


真っ先に村長を殴ろうと思っていたが、やはりそうはいかないようで。

村長のすぐ隣にいた刀を持った男がオレの首を狙って刀を振りかざしたが、

それをよけられないオレではない。寸での所ではあったがうまくかわす事が出来たようだ。

だが最初に出会った奴らのように簡単に倒せると思っていたのが大きな間違いだった。

やはり村長の側近とだけあって一筋縄ではいかない。

オレの攻撃を軽々とかわすか、当たってもほんのかすり傷程度。骨が折れるほどの重傷は与えられない。