永久の贄［BL］

「そうか、それは予期せぬ良い誤算だった…………ん?　鬼長?　どうかしたのか?」


しまった。あまりにも感傷に浸ってしまって周りが見えなくなってしまっていた。

我に返り周りを少し見れば、若干変わった物を見るような目で見てくる奴らがいる。

そうか。オレ達の所では違和感も抵抗もないが、人間の世界ではまだ偏見があるのか……同性同士での恋愛が。

いや、同性同士で夫婦になる事なんて禁じられているのか。


【海理様、突破しましょう!　こいつらと話していると耳が腐ります】

《雪の言う通りです。さっさと行きましょう》


長々と話をしているつもりはなかったが、蚊帳の外の二人からすれば長々と話しているように聞こえたのだろう。