永久の贄[BL]

「ふぅん……動けなかったくせに。本当に異形の奴なの?」

「だったら何だって言うんだよ?」

「別に。ただ異形の奴って人間みたいなんだなあ……って」


オレに怯える事もなく、逃げずにこうして会話をするなんて。

何処までこいつはおかしいのだろう。

もっと何か言ってやりたかったが、急に襲ってきた眩暈にも似た感覚にその場に倒れそうになる。

「しっかり!」

「オレに構うな。頼んでもいないのに助けやがって。
人間のくせに異形を助けるなんて頭おかしすぎるだろ」


だからオレを介抱しようとするその手をどけてほしい。

そう訴えたかったのだが言葉に上手くならず。

その代わりに牙をむき出し、精一杯出来る限り爪を鋭く伸ばして威嚇した、が。