永久の贄[BL]

「そうだけど……それを言ったらもう延々にそれの繰り返しだよね?
俺達が人間を沢山殺しているからって、異形の奴らを沢山殺したら、異形の奴らは今度は人間を沢山殺す。
更に人間は異形の奴らを殺す……何処かで止めないと。余計に皆殺されちゃうよ?
……って、死んだじいちゃんが言っていた」

「……何かよく分からないが、異形の奴に殺されたくないし父ちゃんや母ちゃんも殺されたくないからやめてやるよ。でも今日だけだからな?」


オレにもよく分からなかったが、どうやら命拾いをしたようだ。

四人は別の場所で遊ぶと決めたのか、その場から立ち去って行った。

後から来た男も後を追いかけるのかと思いきや。

「大丈夫? 平気か?」

「……何で助けた」

「何で、って……殴られていたし蹴られていたから。
困っている奴は助けろ、ってじいちゃんも言っていたし」


別にこれくらい耐えていればどうってことないし、よくよく考えてみればあんな奴らの暴行で死ぬようなオレではない。

それに第一オレは困っていなかったし。

だから礼なんて言わないし、差し出された手も掴もうとなんて思わない。