「お前らは、どれだけの者を傷つければ気が済むんだ?」


どうしようもない怒りが込み上げてくる。彩十だけでなく里の連中、そして先程の雪。

こいつらは多くの奴らを傷つけている。相手からすればオレ達が自分達を傷つけているとでも言いたいのだろうが。

するとオレが油断しているように見えたのか、

しめたと言わんばかりに発砲しようとする後方の男の素振りをオレは見逃さず。

懐まで入り込んで先程の男と同じように鳩尾を力強く殴った。

ひるんだ所をまたもう一発食らわせたから、暫く意識は戻らないだろう。


「これでお前だけだ。さあ、どうする。今お前を此処で倒したら、
こいつら三人を村まで運ぶ奴もいなくなるし、こちらとしてはお前には尻尾を巻いて逃げてもらいたいのだが」


残った男は焦るどころか余裕の表情を浮かべたままであった。