永久の贄[BL]

「感情任せに刀を振るのは命取りだ。教わらなかったのか?」

「なん、だと…………!」


豪快に振って来てもそんな物オレに当たる訳ないんだよ。

頭に血が上っているなら尚更。すぐに相手との距離を詰め、

相手が戸惑っている隙を見てから鳩尾(みぞおち)を強く殴りつけた。

恐らくろっ骨数本は折れているだろうが、こいつらが彩十に与えた苦痛に比べたらそんな物は大した事はない。

アイツの苦痛とこの男が今味わっている苦痛を同じにしたらいけない。

本当ならもっと痛い目に遭わせてやりたいところだが、長髪の男は気を失っている。

気を失った相手に更に攻撃を加えるのは気が引けるし、

残りを倒してこの場を去るまでくらいは少なくとも目覚めない筈だからやめておこう。

さあ、これで残るは一人。この男の武器は猟銃か。まあ、何とかなるだろう。