永久の贄［BL］

「お前達の目的は十分に承知している。だが解せないことが一つだけある。
お前達は自分達の保身の為に、かつての仲間だった男一人の命を犠牲にするのだな。
お前達の長も、それに乗ったお前達も相当薄汚い奴らだ」


すると後方にいた長髪の男がオレに持っていた刀を向け、今にも襲いかかろうとしているではないか。

襲いたければ襲えば良い。それ位オレはかわせる。感情任せの攻撃に当たるような馬鹿ではない。

だが、刀を構えただけでもう一人の男に止められていた。つまらない。


「薄汚いのはお前達異形の連中だろう!?
俺の曽祖母と祖母はなあ……贄にされて死んで行ったんだぞ!?　お前達に肉を食われてな!」


そう感情的に言うのは先程までニヤニヤと笑っていた男。

その表情は怒りと悲しみで溢れていた。

こいつの身内が贄になったなんて知った事ではないが、肉を食われたと言うのは事実無根だ。

人間の肉を食う習慣なんて遥か昔の話。死因はもっと別にある。