永久の贄[BL]

「流石は異形の者達だな。村長の言う通り、黒髪の鬼長と狼の使いがまぬけにやってきやがった。
人間に上手く化けているとは思わなかったがな」


一人の若い人間、とはいえ彩十よりは一回りは年上であろう男がニヤニヤと笑いながら言葉を口にした。

だがそれ位で怒るようなオレ達ではない。そもそもこれが本来の姿。

化けている訳ではない。やはり勘違いしている奴が多いようだが、

言いたいだけ言わせておけば良い。それで奴らの気が晴れるのならば。

「てめえら黙ったままだなんて良い度胸だな。少しは何か言えよ」


延々と四人に喋らせ続けていれば、喋り飽きたのか前方にいた一番背の低い男が不満交じりに言って来るものだから、

少し興奮気味の雪を制止しつつ何か言ってやる事にした。

連中がオレ達を罵って来るのならば、それ相応の礼をしなければな。