やって来た朝。それがなけれれば何一つ変わらない、いつも通りの朝。

こう言う時、緊張で眠れなくなる奴もいるらしいがオレはそうでもなかった。

途中で倒れたら元も子もないし、目的を果たせなかった理由にだってならないから。

出発の時間もいよいよ数時間後に迫っている。

必要なものはババ様が用意してくれるから、オレがする支度はこれと言ってない。

道中で村の連中と対峙する事になっても、いざとなれば素手で戦える。

向こうが刀を出そうが火縄銃を出そうが。

万が一があってはいけないからと、雪や月花から刀だけは持たされそうだが。


「海理様、おはようございます。もうすぐ食事が出来るそうです」

「そうか」


月花だけは屋敷に帰らせて、雪だけが今はオレ達と共にババ様の屋敷に残っている。