「確かに俺じゃないと出来ないですね。上空からの村の連中の監視は」

上空からなら相手が土とかに潜っていない限り、隠れるだけ無意味だ。

問題は哉は梟だから俺達に知らせに来るのに若干の時間がかかる位だが、

哉曰く強力な仲間達がいるから大丈夫だとの事。恐らくその辺りに住む隼とか鷲を使うのだろう。


「雪、長の命がお前に預けたからな。死んでも長を村の連中から守り切るんだぞ」

「哉に言われなくてもそのつもりだから」


正直に言えば、この作戦というのだろうか。それの中で一番危険なのは雪だとオレは感じていた。

“それ”がなければ問題はないが、確実に“それ”は起こるだろう。

“それ”の事を考えたら、雪より月花の方が能力的には勝っている。

だから月花を同行させるのが筋なのだろうが、月花は女だ。女からすればおそらくは過酷な事だろう。