緩やかに穏やかに時は過ぎ。そうしてやって来たのは“運命の日”の前日。

オレが水を汲みに行く日である。正しくはまだ一日あるが、

余裕を持って出ろと言うババ様の命令だ。

ババ様や弟子達の力と本人の気力のおかげか、彩十は生きている。

ただ殆ど寝たきりの状態が一週間と少し続いているが。

胸痛は起こさなくなった。が、代わりに高熱が続くようになった。いつかの時にババ様は言っていた。

胸痛が起こらなくなり、別の症状が出た時が怖いと。

そうなった時には呪いがかなり進行をしているという証拠だと言う。

それが起きたらババ様や弟子達がいつものように食い止めても、

その効力は長くは続かず、長く持って二時間。持たない時は三十分以下だそうだ。