「……そうなったら村長を殺せってババ様に言われているし」

「何か言った?」

「いや、なんでも……それよりも」

「?」


何か呟いているように聞こえたけれど、よく聞き取れなかったのも束の間。

畳に突然叩きつけられたかと思えば、俺に覆いかぶさるように顔をのぞいてくる。

いやまさかそんな。


「仕置きだ」


ああ、これだ。いつもの不敵な自信にありふれ笑み。

なんだ、思ったより平気そうじゃないか。心配して損した……と安心したのは良いけれど。

その胸に入り込んでくる手は何なんだ。その“まさか”は気のせいではなかったようだ。それって……さ。


「お前がただやりたいだけだろ!?」


そんな訴えに似た言葉も海理には届いていなかった。