永久の贄[BL]

泥だらけの身体を洗われるのは流石に恥ずかしかったから、

何かあった時の為に待機しているという条件付きではあったけれど、

何とか一人でやらせて貰い。流れてほしいようなそうでないような複雑な時間は過ぎ、

足を手当てしてもらってから真っ先に海理の元へ。

自らの意志であってもなくても、海理の元行きは免れなかった。

部屋に入れば海理を挟むようにして両脇には雪と月花。

三人ともそれぞれ険しい顔をしている。一切穏やかな空気は流れてはいないと、肌で感じ取った。

そしてその場に哉はいなかった。

海理に用があると言っていたし、いると思ったのだけど。既に用を済ませて帰ったのだろうか?

代わりに雪の右肩にちょこんと白い梟がいた。

きっと迷い込んできて、休む為に雪の肩を借りているんだと勝手に思う事にしよう。