永久の贄[BL]

弟子もそれを止めないし、雪も月花も“歩くな”の一点張りだし。

何か複雑だ。この歳で背負わされるのは。

海理に姫様のように抱えられるのも複雑だけど。


「……ただいま」

「ああ」


哉に背負われて帰って来てみれば(と言うか帰らざるを得なかった)。

玄関前、腕を組んで突っ立っていた海理に出迎えられた。

その周りを囲むように、待機していた弟子達も数人いる。

俺の予想とは反して待っていた海理はあんまり普段と変わった様子が見られなかった。

酷く心配するか、酷く怒るかのどちらかだと思っていたのにそのどちらでもない。

ただ強いて言えば少し不機嫌そうには見えたけど。