この異形の者達の住む里では、先に身体を重ねる。

その後に男は女の身体を綺麗に清め、水分を拭き取った後に裸のまま一人で寝かせるそうだ。

って事は、こいつに身体を洗われたって事か? 想像するだけでぞっとする。

そして、身体を重ねた翌日以降に婚礼の儀を行った事を伝える披露宴が行われる、と。


「待て……俺は男だぞ? 同性同士で結ばれる事なんて……」

「それはお前達の村での話だろ? オレ達の里ではそれは一般的だ。同性同士で結ばれた者も複数いる」


流石と言うべきなのかどうなのかは定かではない。

ここまで聞いて、俺の中には絶望しかなかった。

俺はいきなり此処に来て、唐突にその婚礼の儀をやられて。

それでこいつと生涯を共にしろと? 俺を贄に指名したのはこれの為にあったのか?

こうなると分かっていたならば、俺は嫌でも贄を必死になって拒み続けたに違いないだろう。