……ああ、そうか。あの時“幸せに”とかけてくれたまじないは、
“俺の”ではなくて“村の皆”のか。そうだよな。疑問だったんだよ。
これから死ぬ俺に幸せも何もないだろうって。哉の言った考え方で考えてみると、妙に悔しくなって来る。
「何で俺ばっかり……。俺だって……」
「俺だって?」
…………まだ死ねない。死ぬのは覚悟しているけれど、まだ晩年には早すぎるよ。
そう言いたかったのに、上手く言葉には出来なかった。
まだ海理があの原っぱで言いかけた言葉だって聞いていないのに。
海理から貰った首飾りを握りしめ、何だか妙に力が抜けてその場にしゃがみこんでしまった。
「いたぞ!」
哉が“よく出来ました”と言わんばかりに頭をなでてきたかと思った次の瞬間、
俺を探しに来た弟子の声が聞こえてきた。別に今は逃げようとは思っていない。
“俺の”ではなくて“村の皆”のか。そうだよな。疑問だったんだよ。
これから死ぬ俺に幸せも何もないだろうって。哉の言った考え方で考えてみると、妙に悔しくなって来る。
「何で俺ばっかり……。俺だって……」
「俺だって?」
…………まだ死ねない。死ぬのは覚悟しているけれど、まだ晩年には早すぎるよ。
そう言いたかったのに、上手く言葉には出来なかった。
まだ海理があの原っぱで言いかけた言葉だって聞いていないのに。
海理から貰った首飾りを握りしめ、何だか妙に力が抜けてその場にしゃがみこんでしまった。
「いたぞ!」
哉が“よく出来ました”と言わんばかりに頭をなでてきたかと思った次の瞬間、
俺を探しに来た弟子の声が聞こえてきた。別に今は逃げようとは思っていない。


