永久の贄[BL]

……だけど、俺が近い内に死んで里も一緒に潰れる事。

俺の脱走を知らなくても、その事実は知っているだろう。


「俺の事はどうでも良い。頼みがある。
俺を此処で見た事を誰にも言わないでほしいし、見なかった事にして欲しい」

「何でまた。まさか長と喧嘩でも……!? だから飛び出して来たんですね?」

「違う! お前知っているくせにとぼけるなよ……」


何故か首をかしげる哉に構わず俺は言いたい事をぶちまけてしまっていた。

言ったところでどうにもならないって分かっているはずなのに。

それでも哉は最後までそれをきちんと聞いてくれたのか、

言い終えて顔を見た時には俺が想像もしなかった表情をしていた。

……ひどく青ざめていたのだ。何故? 全部知っているんじゃなかったのか?