「湖から水を汲み取るのは一筋縄では行かぬじゃろう。
必ず村の者が何かしらの妨害をしてくるはずじゃ。
最悪、彩十やワシらが死に、里がお主と雪だけになってしまった場合……」


ババ様は一呼吸し、その最後の一言を紡いだ。

それはオレもそうなった時にしてやろうと思っていた事だった。


「長をその手であやめるのじゃ。じゃが、村の連中には手を出さぬよう。
彩十をあやめようとしている腐った村じゃが、彩十の生まれ故郷を奪いたくはないからのう」


だからその条件をのまない訳がなく。素直に受け入れられた。

つまりはババ様が此処に俺が居座っても良いと言う事になる。

これで二十五日後の事まではまとまった。後は嫌だが時を待つだけ。

何があっても良いよう、覚悟と体力だけはつけておかなければ。