「あ、長様! それから雪さんと月花さん。ババ様でしたらすぐに戻るかと……」

「そうか。じゃあ先に彩十に会わせろ」

「そ、それがですね……」


訪ねれば訪ねたでババ様がいない。まあ、時間約束はしていないから無理はないとしてもだ。

何故彩十の事を聞いたらそんなに戸惑われるのかが分からない。別に会えない理由なんて……まさか。


「もしかして彩十さん、また胸痛起こして倒れたのですか!?」


オレの嫌な予感を真っ先に弟子にぶつけたのは月花だった。

そう、戸惑う理由はそれ位しか考えられない。

だがしかし、弟子はそうじゃないと否定した。では何故か。


「あの……ですね、裏の池で子供達と遊んでいます」


言いにくそうに何を言うかと思えばそんな事か……ん? そんな事?