永久の贄[BL]

翌日、雲は一つもなく五月晴れの日だった。

眠れないかと不安だったが、頭はすっきりとしている。よく眠れたようだ。

普段であれば里の見回りやら里の男ども(もちろん彩十は含まれていない)と集会をして、

他の場所に住む同胞との文のやり合いをし、互いの無事を確認し合ったりして……と言う流れだが、

今回は集会を休む事に決めた。もし必要であれば代理として雪に任せよう。

身支度を終え、まずはそれを伝えに集会所へ行く事にした。すると、だ。


「長様、我々に出来ることであれば何でもしますからね!」

「私達はどこまでも長様に付いて行きます」

「彩十さんはご無事で……? あ、自分達が生きていると言う事は無事って事でしたね」


……“おはようございます”の挨拶と共に、

もう昨日の事が広まったのか次々と飛び交うオレを慕う声と彩十の安否を確認する声。

早くに広まったのはババ様の仕業か?