永久の贄[BL]

「で、ですが……っ!」

「明日、ババ様から呪いの解き方を聞き出す。
その解き方次第では村に奇襲をかける事も考えよう。
だが今は駄目だ。気持ちは分かるが堪えてくれないか?」


これは命令ではなく頼みだ。そう最後に付け加えた。


「……海理様がそこまで言うのならば、堪えます」

「ああ、それで良い。ところでお前達、明日は一緒に行くか?」

「ババ様の所へ、ですよね? 行きますよ」

「私もです!」


予想通りの答えが返ってきた所で、適当に引っ張り出しておいた服やら何やらをまとめておくように頼んでから、

オレは部屋へと戻った。様々な出来事が唐突に怒りすぎて、何だか疲れてしまったのと同時に何故か泣けてくる。

不思議なものだな。記憶にある中で泣いたのなんて……ああ、一度だけだったか。

だったらこれは二度目だ。最初の時もそ今回も状況は違えど、彩十が絡んでいるなんて。またおかしな話だと思う。