どういう訳かババ様も付いてきた。まだ何か言い足りない事でもあるのだろう。

玄関まで来たところで、やっとその口を開いてくれた。


「話の腰を折られたの……で、方法じゃが…………ない訳じゃないのは確かじゃ。
が、すぐには出来ぬ」

「何時だったら出来るんだ!?」

「……今日はもう休め。明日すぐに彩十が死ぬわけじゃない、少しはお前も休むと良い」

「…………っ! 仕方ねえな。だが明日には絶対聞かせてもらうからな!」


ババ様は何があっても今日はもう絶対に言わないと思う。

言い合うだけ無駄だ。帰り際にババ様は笑った。こんな時にどうして笑うのだろう。

聞かないでただ睨めば、ただ一言優しい口調でこんな事を言った。


「本当に海理は彩十が好きだのう……」


好きで悪いかよ。あえて無視して屋敷を出た。