「そうだ」

「そうじゃ、呪いじゃよ。安心せえ、死ぬようなものじゃないからのう。
ただちぃっとばかり、厄介でのう……それ故に解き方も複雑で、完全には解けていないのじゃ。
今はワシの送った力で抑え込んでおるが、また胸痛が起こってもおかしくない状態でのう。
呪いの完全な解き方が分かったらすぐに施す。じゃからそれまではしばらくはワシの所で療養せい。
また胸痛が来た時に大変じゃしな。ついでに海理の所で溜まった心身の疲れも癒すと良いぞ」


背後から幽霊のように現れたババ様が、彩十に丁寧に説明し出した。

ババ様の言葉は半分嘘だ。それはきっと彩十を思っての事だろう。