「身体は平気か?」

「ああ……少しは……これは一体…………?」

「ババ様の屋敷だ。安心しろ。ただの……」


そこから先の言葉が続かなかった。彩十は呪いの事なんて知らない。

言ってしまえば楽かもしれないが、下手に嘘は吐きたくはなかった。


「ただの呪い?」


まさか彩十の口からその言葉が出てくるなんて思わなかった。

しかもクスクスと笑いながら言っていやがる。

冗談で言っているのか本気で言っているのかは定かではないが、それならば話は早い。