「彩十さん? 顔が赤いですが……まさか熱でも?」

「なななっ、ない! ないったらない! 卵酒と薬持ってくる」


三人より少し早く平らげて、赤くなった顔をごまかそうと空にした食器を持ってまた台所へ。

今度は卵酒を淹れたお椀と薬方を持って。

それもすぐに渡してから、自分の部屋だと言うのに居心地が悪くなってフラフラと適当にふら付いた。

顔の火照りがおさまるまで。……風呂にでも入っておこう。

少し早いかもしれないけれどする事がないから。

今日は無駄に長く感じた気がする。まだ昨日の出来事からずっと続いているような感覚もある。