「ねー、わたし好きなんだよ。」 「あっそ。俺は嫌いだけどな。」 「‥‥でもわたしは好きだからねっ!」 いつもの帰り道。 いつもの会話。 こいつは前々から俺の事を好きだって言ってくる。 最初は鬱陶しかったけど、こいつを観察しているうち不覚にも俺も好きになってた。 ‥‥だからって今まで"嫌い"とあしらって来た俺としては素直に言いにくく。 相変わらずこいつに"嫌い"と、思ってもないのに言ってしまう。 今日の目の前のこいつはどこか寂しげな笑顔。