「……そうねー……」
りんりんが顎に手を当てて考え込む仕草をし、やがてあたしの目をまっすぐ見て言う。
「自分で気付かなきゃいけないことかもしれないけど……」
「……?」
「真緒のその“すき”は、楓に恋してるのね」
「…………?」
こ…?
こい…こい……鯉?
「うんそうね。予想通りの反応をありがとう」
「?」
「真緒が楓を“すき”なのは、真緒があたしを“すき”なのと違うの。楓が真緒を“すき”なのと同じなのよ」
???
んー……。分かる…ような…分かんない…ような…。
「早い話が、今あなた達婚約がどうのって大変なことになってるでしょ?」
「うん…」
おばかな父様のおかげでね。
「婚約したりするのは恋人同士でしょ? 恋人同士の“すき”は友達の“すき”じゃないってこと。あなた達はそれってことよ」
「……」
こいびとどうしの……すき…?