―シ…ン……
辺りは静まり返った。
物音ひとつせず、互いの心音だけが、今この時間(とき)は流れているんだということを知らせる。
「…あた…し……」
「お前がどう思ってるのかなんか分からねぇ。お前、分かんねんだよ…」
わから…ない…。
わからない。
……だって、あたしも分かんないんだもん。
あたし自身も分からない気持ちを、どうやって分かってもらおうっていうの?
だってどうすればいいの?
すきって……なあに?
『――…れやったらせんほうがええんちゃう?』
「…!」
静まり返っていたせいか、外からしゅっちゃん達の声が聞こえた。
かっくんはそっとあたしの体を離し、一度も顔を見ることなく背を向けてソファに腰かけた。
「……」
「おーただいまー! そういや楓んこと忘れとったわぁ」
「よく言うよ。たった今思い出したくせにさ」
「あら。楓は一足先に着いてるんだからいいじゃない。ねえ真緒?」
「りんりん……」
「……真緒…?」

