暴れ出すことを想像して構えていたのに。
次に目を覚ました真裕が開口一番言ったのはこうだった。
「はっ…。……?? …! びっ、びじん…」
「……」
「……」
「……」
…俺に助けを求めるような顔されても困る。
こっちだってわけがわからん。
でも…視線が明らかにお袋にいっているところからして、おそらくお袋のことを言っているんだろう。
「あらっ? あたしのことかしら? やあねぇなんて正直な子なのかしら! きっと神様に愛されてるのねぇ…❤」
頬を赤らめて言うセリフではないものの、ぼーっとしている真裕はじっとお袋を見つめている。
「……おかーさん…」
「はいなあに?」
「…おかーさん?」
「そおよそおよ。真裕ちゃんのお母さんになるんでしょ?」
「おかあさん…」
そう呟くと、みるみるうちに目に涙を溜めていった。
「あらま! どうしたの真裕ちゃん?」
驚いて駆け寄り、泣き出した真裕を抱きしめている姿は…本当に母親のようだった。
…つーか……それ俺の…。
「とられちゃったわねぇ楓の役目」
「……」
…別に。

