どっちにしろ他にどうしようもないし、そのまま降りてもらった。


「真緒たんこれ着とき」

「あんがと」

「これも被ってー、あたしと歩きましょ」

「うん」


荷物はすべて野木さんに任せることにして、琥珀と梨音だけ連れて出た。

しゅっちゃんに渡されたコートとりんりんに渡された帽子を着込んで…。


「…あっつい」


「ちょっとの辛抱よ」


真夏にコート着るなんて。


「顔あげちゃダメよ? …さ、行きましょ」




「あ! 出てきたぞーっ」

「えーたった今、真裕さんと思われる人物が星野氏と共に出てきました」

「発表は事実だったようです!」


カメラに向かってマイクを持って必死にそう訴えかける人達。

俯いて、深夜の空の下、あまり心地の良くない光に照らされながら逃げるようにその場を去った。


……いや、追いかけられてるけど。



「……有名人も大変なんやなあ…」


……そおね…。



「真裕さぁーんっ! ふーじみーねまーひーろさぁーんっ」


「…ハア…」


自分の名前…嫌いになりそ…。