とにかくまー…明日の朝には発つわけだし。
早く荷物何とかしなきゃね。
「坂本さん琥珀達の――…」
……坂本さんたちに手伝ってもらい、すべて終えたのはそれから何時間も経ったあとのことだった。
あっという間に夜。
「今日のお夕食はこちらにございます。今夜が最後と聞きましたので、フランス料理にさせていただきました」
「ん」
シェフがワゴンに乗せてあたしとかっくんの二人分を持ってきた。
「こちらがオードブルになりまして…」
「いただきまーす」
ちまちまと説明を聞き流しながらも、もう手を付けてるあたしって。
「…では。失礼いたします」
九十度? ってくらいに腰を曲げて出て行った彼は、実は元執事。
料理の腕を買われてシェフに転身したんだってさ。
だから普通の他のシェフより何かと気が利く。
執事さんっぽいなーって時々思うよ。
「じゃ食べようかっくん」
「もう食ってんじゃねぇかお前」
だって。
目の前にどうぞって出されたのに食べちゃダメなんて。
「これ美味しいよ」

