何でもいいから連れて行けと言ったくせに、今もんもんと考え込むあたし。
なんにしたって、いくら考えたからといって何か浮かぶようなあたしの頭じゃない。もうやめよ。
そう決心した頃には、車はもう空港に着いていた。
「は……早いんだね…」
「そうですか? 幾分回り道をしましたが…」
そうなんだ…。気が利くね…。
「ごめんけど三十分までは待っててくれる? それ以上経ったら一度帰ってね」
「そんなこと! 一日でも一週間でも私は真裕様を…」
「ダメ。帰って。命令」
「は……し、しかし…」
「別に何も危ないとことかそういうんじゃないんだし問題ないでしょ? それともなあに。あたしの言うことが聞けないの?」
「そんなことはございません! わたくしは誰でもなく真裕様にお仕えしているのです。例え旦那様や奥様、大旦那様や亡き大奥様のご命令に背こうとも貴女様に従います」
そ、そこまで言ってくれなくても…いいんだけども…まあ。
あ、ありがとう? みたいな? …あはは…。
「じ、じゃあ三十分経ったら帰るのよ」
「はっ」
一礼した野木さんを見て安心し、くるりと振り返って駆け出した。
「……って…」

