秘密のMelo♪y②*パリ編*


もちろん足りない部分は出てくる。

呆然とする後ろの彼らをよそに、それらすべてをフォローしてしまう楓だった。


「……」

「……」

「……」



やがて演奏は終わり……会場内は静まり返った。


「……」


僕とて例外ではなく、ただ息を呑んで舞台を見つめる。


誰も、声が出せない。

指一本動かすことさえできない。


暑さからではない冷たい汗が頬を伝った。



―パチ……パチパチパチ…



数分後、ぽつぽつと拍手が鳴り始めた。


「あ…。よ、よろしい。下がりなさい」


審査員も我に返ったようでそう言うと、楓は軽く頭を下げ…後ろにも深く頭を下げ…舞台そでに引っ込んだ。


「……ふっ」


僕も我に返り、ようやく気付いた。


充分……“戦法”だよ、楓くん。