秘密のMelo♪y②*パリ編*


それからもあまり聴き応えのない演奏が続いた。

誰しも実力がないというわけではない。

仮にも、この宝院のSクラスにいるんだ。

緊張……というのもあるだろう。これだけカメラがあればまあ…。

といっても、実際何か足りないものがあるのは確かだけど。


楓くんは……最後か。


そうだろうなとは思ったけど、残すところ二人ならしいとこを見ると、まあそうだろう。

彼のあとに演奏できるのは真緒ちゃん……藤峰真裕くらいなものだ。


「ではー次。星野楓。来なさい」


……は?


「きゃーっ❤やっとよ…!」

「長かった~…。このためにこのくそ暑い中休みの学校に来たんだものね」


くそ暑いって。

女の子がそんな言い方しちゃダメだよ。


…いやいやいや。


次が? 楓?

なんで。


後に残されたやつ……可哀そうに。


顔も知らない相手に同情しながらも、待ちに待った瞬間に肩の力を抜いた。

やっと……なに考えてるのか分かる。


楓が出てきて、本来ならここで歓声の一つもあがっていいところだけど……さすがにこの雰囲気で声を出せるものはいなかった。


「では。お願いします」