今……なんてった?
思わず足を止めてしまった僕を置いて、彼は行ってしまった。
「……ハア~……」
本っ当付き合いづらい。
真緒ちゃんもだけど……天才と呼ばれる人には何かしら特異なものでもあるのか?
二人はよく分かりあってるみたいだけど。
なに考えてるんだか…。
まあ、そんなことは自分が心配しなくてもなんてことないだろうということは分かっているけど。
大きなため息をついてから、一観客として観覧席に座った。
こんなもの用意しておきながら……邪魔するなとはよく言ったもんだね。
―数十分後、ようやくトップバッターの女の子が出てきた。
「えー、では。我が校付属のオーケストラ団の皆さんにサポートをしていただき、交響曲第七番を演ってもらいます」
交響曲第七番か…。
ポピュラーなのをやるんだな。
しかもどうも、バイオリンとビオラだけのようだ。
他は別の曲を演るのか…。
そんなことを考えながらも、特に聴く気はなかった。
彼女……本当にSクラスか?
てかあんな子いたっけ。
緊張しすぎだ。
全くこういった場に慣れてないな。
実戦の経験がない教科書通りの子ってところか…。

