心の中で突っ込みつつ、数多ものカメラに囲まれる楓の隣を歩き続けた。
…しかし……僕が隣にいるっていうのに無視?
「報道陣!! 今日は(大袈裟に言えば)大事な予選なんだ! (星野楓の)邪魔だけはするんじゃねーぞ!」
口元に両手を当てた見知らぬ先生らしき男が声を張り上げ、薙ぎ払うようにカメラを持った人達をかき分ける。
やってきたのはまあガタイのいい巨人で…。
「星野、あっちだ。行け」
「……アンタ誰?」
「……」
楓くん…。
君時々真緒ちゃんみたいなこと言うよね。
「昨日このこと教えてやっただろうが!」
「……」
忘れたとでも言いそうな顔。
余計なことを口走る前に連れて行くことにした。
「すみません。では、ありがとうございました」
得意の愛想笑いで頭を下げると、いつものように楓を引っ張って指差された会場へ向かった。
「ところで何か考えてるんだろ? ちょっとくらい教えなよ」
「なにを?」
「なにって……だから今日の戦法」
「別に何も」
……は?

