――…と、数時間後。
「……」
「……殺気が目に見えるようだよ」
さしもの彼も予想していなかったのか。
この状況は…。
「星野さん! 一言お願いします」
「いつから接点があったんですか?」
「真裕さんは今どこに――」
「パリにいらっしゃったのでは?」
「……」
「だから殺気が目に見えるようだよってば」
事前に今日のことは発表されていたらしく、もしかしたらという思いでここを張っていたらしい。
予選会場は学校なわけだけど、もはやそうは見えないほどに人でごった返している。
「楓くんよ! 来たのね来たのねっ」
「でも真緒ちゃんがいないわ」
「きっとショックなのよ…。彼氏に婚約者がいたんだもの」
「そうね…。普通ならあり得ないわ。最低よね!」
「でも……星野くんだし…」
「そうよそれに相手は藤峰真裕ちゃんだし…」
何を揺れてるんだ。
もし真緒ちゃんと藤峰真裕が別人で本当に楓くんと真緒ちゃんが付き合ってて本当に藤峰真裕と婚約してたんだとしたら……。
……ややこしいなもう。
とにかくそれが事実なら誰であろうとあり得ないもんはあり得ないでしょ。

