「……!」

アリスカは唇を噛む。

自分はいい。

エージェントなどという任務についているのだ。

捕まれば殺されるのも覚悟の上。

だけど彼らは…この仲間達は何の関係もないのだ。

善意で任務に協力してくれただけ。

なのに…。

アリスカの視線が、啓太に向けられる。

「あ、アリスカさんっ…!」

今にも泣き出しそうな顔をする啓太。

…アリスカはこれまで見せた事もないような笑顔で、啓太に微笑みかけた。

「デートくらい、しておけばよかったね」