黒服達に銃口で背中を押され、建物の一室に集められる。

「ごめんなさいアリスカさん、後一歩の所で油断しちゃって…」

手を上げたまま月が言う。

「月さんは悪くないんです、僕がもっと連中の注意を引き付けていれば…」

項垂れる啓太。

「二人の責任じゃないわ」

アリスカは言う。

そもそも月も啓太も、一般人なのだ。

こんな事件に巻き込まれる事自体、本来ならあってはならない事。

なのにソフィアを助ける為に自ら体を張ってくれた。

「あなた達は何の責任も感じる必要はないの」

微笑むアリスカ。

その頭に。

「The chat is so much. (お喋りはそこまでだ)」

黒服の拳銃が突きつけられた。