「あっ、ちょっと待てよ。朔夜」
楓もそのあとを追いかける。
「…私たちもいこっか」
足元にあったかばんを手に取り、鏡夜の腕を引っ張る。
だけど、鏡夜はその場から動こうとしない。
「……?鏡夜?早く行こう?」
くんくんと腕を引っ張って、鏡夜を促す。
そんな私を鏡夜はじっと見つめ、静かに口を開いた。
「皐月。リボンは?」
「…へ?」
すっと鏡夜の手が伸びてきて、私の首筋に触れた。
「リボン。付けないの?」
鏡夜が不思議がるように首を傾げた。
そう。
私たちの高校では、男子はネクタイ、女子はリボンを付けることになっている。

