いつか、きっと。





「…楓は?」



「塾」



「そっか」





相変わらずトントンと規則正しいリズムが刻まれていく。



またごろんと横になった私の耳にお母さんの呆れたような声が聞こえる。





「また寝るつもり?暇なんだったら、ちょっとこっち来て、玉ねぎ刻んで」



「玉ねぎ?」



「そ。今日はあなたたち兄妹の好物を作るから」





オムライス、か―――。



よいしょ…と体を持ち上げ、お母さんの隣に立った。



まな板を渡され、もうすでに半分刻まれている玉ねぎに手をかける。





「指。切らないように気をつけて」



「うん」





頷きながら、包丁をみずみずしく光る白い玉ねぎに差し入れた。