「どうして“愛してる”って…言ってくれないの……?」 気づかなければ良かった。 私の言葉に、鏡夜が何一つ返してはくれないことに。 ただ、“ありがとう”だけ。 それでもいい。 ちゃんとそれで優しくごまかされていたのだから。 「ねぇ…どうして?」 私は愚かなんだろうか。 “言葉”を欲しがるのは、いけないんだろうか。 たった一言でいい。 ――――俺もだよ。 それだけでいいから。 “ありがとう”も“ごめん”もいらないの。 ただそれだけ。 そう言って、いつものように笑ってくれるだけでいいから。