いつか、きっと。





「ど…したの?鏡夜、何か変だよ」





ハハッと笑ってみせても、渇いた声が喉に張り付いて上手く笑えない。



鏡夜の胸元に手を置き、ぐいと顎を上げた。





「鏡夜。何?どうしたの?」





そこには顔を俯かせている鏡夜がいて。



サラリとした髪が鏡夜の顔にかかり、今どんな表情をしているのかがわからない。



いつものように、「鏡夜?」と呼びかけながら髪を払おうとする。



スッ――――。



まるで初めからそこには何もなかったかのように空をかいた私の手は、行き場を失う。



体が―――震えた。





『――――……皐月』





触れられない不安は、私の身をひきちぎるように突き刺さる。



だけど、それ以上に私の心を不安の色に染めたのは、もっと……ほかのこと。