いつか、きっと。





「そうだよ。あれも鏡夜が言ってた」





私の言葉を肯定したあと、楓はぽつりぽつりと話し始めた。





「あれはちょうど二年前……皐月たちが付き合い始めた頃だ。いつもみたいに俺は、鏡夜と二人で休み時間に屋上に上がったんだ」





私たちが―――。



無意識に楓のシャツを握る手に力が入る。





「いつも二人で寝転がって空を眺めながら、どうでもいい話して笑ってたんだよ。隣のクラスの波多がニケツで捕まりそうになっただの、ほんと、どうしようもないくらいにどうでもいい話ばっかしながら」





懐かしさが声に滲む。



優しすぎるくらい、楓は鏡夜を思い出していた。





「…けど、その日は何か違った。鏡夜は寝転がってる俺の隣で座ったままで、一向に喋ろうとしなくてさ」





開けっ放しにしたままの窓から、少し湿っぽい風が吹き込んできて、私たちの隣を通り過ぎていった。