「もういい…もういいよ…」
「か、ぇで…」
「わかってる。もう、わかったから…」
背中に回された腕は温かく、肩に乗せられた頭の重さが心地好い。
「……皐月がどれだけ鏡夜を好きだったのか。鏡夜がどれだけ皐月を大切にしてたのか。俺は…ちゃんとわかってるから…」
ぽつぽつと降ってくる言葉が、心に積もっていく。
少しずつ、少しずつ…
「お前たちが、どれだけお互いを想い合っていたかなんて、見ていたら分かる。それを今さら、疑うことなんかないんだ。なのに…どうした?どうして皐月が、鏡夜を信じれない?」
その言葉に、ハッと目を見開く。
――――信じれない?
私が、鏡夜を?
ヒュッと息を吸ったきり、呼吸がうまくできない。

