「もう…どうしたらいいかわかんないの」
どうして拒絶されているのかが、わからない。
どうして離れていこうとしているのかが、わからない。
知りたい―――。
そう思うのと同時に、知ることが怖かった。
理由を知ってしまえば、鏡夜が…遠くへ、もう本当に手の届かないような場所へ行ってしまう気がする。
そう、例えば私の頭上に広がる広大な“空”に。
「怖い…怖いよ、楓……」
ゆっくりと楓の方へ顔を向けた。
溢れ出る涙のせいで、楓がどんな顔をしているのかさえわからない。
震える声で楓に縋り付けば、ぐいと腕を引っ張られた。
その拍子にカラン…と音を立て、氷が床に落ちた。
「――――皐月…」
鼻をくすぐるのは、柔らかい柔軟剤の匂い。

