「だって、雨って色んなとこに落ちていけるでしょ?」
そう、自分の好きな場所に。
「北極にだって、南極にだって。……好きな場所に行けるんだもん」
もし、自分の意思で落ちていけるのなら。
私は迷わず、愛しいあの人の元へ行く、きっと。
「傘の上にでもいいから、落ちていきたいの」
雨は嫌い。
それは変わらない。
だけど……それがあの人の傍に寄り添うことのできる唯一のものなら。
躊躇うことなんて、何もない。
「私は……大切な存在でいたいの」
喜んであの人の肩に舞い降りていこう。
それだけで私は幸せなんだから。

