楓……
あまりにも熱い視線に、私は頬を緩めた。
「……ね、楓」
まぶたから氷を離す。
だけど目は閉じたまま、天井を仰いだ。
「私。雨になりたいな」
ぽつんとこぼれでた言葉に、楓が驚いたのが分かった。
そして、ふっと笑う。
「嫌いなんじゃなかった?」
「うん。嫌い」
すぐさま答えた私に、楓は苦笑した。
「変だと思う?嫌いなのに、雨になりたいなんて」
「そりゃあ……な」
「どうして?」
「どうしてって………」
何言い出すんだ、とでも言いたげな楓の口調。
困ったように声を詰まらせた楓に、私はわざと明るい声を出した。

