『―――うわ。ひどい顔だな』
たっぷりとベッドの上で泣き明かした後、のそのそとリビングに下りてきた私への楓の第一声。
そう言ってから楓は苦笑して、「ちょっと待ってな」とキッチンの方へ消えていった。
それに小さく頷き、ソファに体を投げ出し、白いクッションを抱きしめる。
柔らかい日だまりの匂いがした。
小さなため息を落とし、そっと顔に手をかけ、まぶたに指先を這わせる。
「…うわ。すごい腫れてる」
ハハッと声にならない声で笑う。
楓が苦笑したのも分かる、これはひどいや。
まぁ、あれだけ泣いたら仕方ないか……
「―――皐月」
楓の声が降ってきたと思った直後
「ひゃっ!」
ぺたっと頬に冷たい何かが押し当てられ、私は小さな悲鳴を上げた。

